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新体制に伴う声明文(ステートメント)

更新日:2025年06月19日

 この度行われました令和7年度第31回定時評議員会において、新たな理事・監事が選任され、その後同日に開催された令和7年度第58回臨時理事会において、改めて理事長に選任されたことをご報告いたします。
 新たな任期を開始するにあたり、ここに謹んで以下の表明をいたします。

 まず初めに、当法人の元理事長が元職員に対して性加害という許されざる不法行為を行い、当法人にも安全配慮義務違反が認定されるという重大な不祥事がありました。この事件により、被害に遭われた元職員の方に対しまして、あらためて心から深く謝罪を申し上げるとともに、社会の皆さまや自治体、利用者とそのご家族、職員に多大なご迷惑をおかけいたしましたことに、心からお詫び申し上げます。
 また、令和7年6月12日には、この不祥事に対する法人対応について、滋賀県から文書にて指導を受けたことを合わせてご報告します。(詳細は別途掲載「信頼回復に向けた取組の確実な実施について」令和7年6月12日滋賀県健康医療福祉部発出を参照)
 県からの指導において、元理事長により重大な人権侵害が行われていたことは、極めて遺憾で、断じて許しがたく、今後、同様の事態が二度と起こることがないようあらためて厳重に注意を受けました。
 また、法人の健全化に向けた取組については、以下の点に留意して確実に実施することが求められています。
 1. 今般のような重大な不祥事の発生に至った原因・背景等について第三者による検証を行い、問題点や課題を整理すること。
 2. 検証結果を基に再発防止策を講じ、特に理事長や役員、職員を対象としたハラスメント規程の整備や講習、外部評価の仕組みを導入するなど、実効性のあるハラスメント対策となるよう特に留意すること。
 3. 役員体制の見直しに当たっては、法人運営の透明性の向上、けん制機能の強化、法人のガバナンスの強化につながる体制とすること。
 加えて、取組の実施状況を自主的に公表して説明責任を果たすなど、法人をあげて社会的な不信を払拭し、信頼回復に取り組むことについて強く要請を受けています。
 なお、取組の詳細やその実施状況については、随時、県に報告すること、また、県においては、法人の実施状況を定期的に確認し、信頼回復に向けた取組の確実な実施が確認できるまで、所轄庁として指導監督を徹底することとし、指定管理を含む県からの委託・補助事業については、法人の信頼回復に向けた取組の実施状況を確認しながら執行することが申し添えられています。
 また、県が本事案を振り返り発表された内容においては、外部有識者から「グローに対して(事案を検証するための)第三者委員会の設置など助言すべきではなかったか。」、「判決を受けて、グローがどう組織改革をしたのか伝わっていない。」といった、法人に対しても大変厳しい内容となっています。
 提訴を受けて以降、また判決後の法人対応が不十分であったことに加え、役員体制については透明性、けん制機能、ガバナンスが欠如していると評価を受けたことは極めて重要な事柄として、この問題を深刻に受け止めなければなりません。
 この指導・要請を真摯に受け止め、法人健全化に向けた取組を不退転の決意で進めていく所存です。
 改めて、ハラスメントは重大な人権侵害です。この深刻な反省を常に忘れず、二度とこのような事件が発生しないよう、ハラスメントのない働きやすい職場づくりに全力を尽くし、信頼回復に努めてまいります。

 私は、本年3月27日に理事長に就任して以来、この2か月間で以下の3つのことを実行すると表明しました。

 一つ目は、当法人は安全配慮義務違反が認定されるという極めて重大な不祥事が発生した問題に対して、外部委員による検証を行うことをお約束しました。こちらについては、既に公表していますとおり、現在、外部有識者3名で構成される「ハラスメント防止対策外部評価委員会(2024年12月設置)」(以下、委員会)において、令和7年4月30日に開催した令和7年度第1回委員会以降、法人の安全配慮義務違反が生じた原因や事案発生の背景となる要因の検証、再発防止策の提案、加えて、提訴認識以降の法人対応についても改善すべき点がなかったか検証いただいているところです。委員会において中立・公正・客観性を担保した検証を本年9月の完了を目途に進め、検証報告書は法人ホームページにて公表する予定です。

 二つ目は、職員の声を大切にし、法人の再出発にあたることです。この間、職員の声を直接聞く機会を設け、情報共有と意思疎通に努めました。どの事業所においても、職員はご利用者の大切な生活を支えることに真摯に向き合い、各々の職務に対しても真剣に取り組んでいます。その中で、職員自身が家族の介護が必要になっているという悩みや、現場の人手不足に対する訴え、給与制度に関する意見なども伺いました。
 また、前述の不祥事を乗り越え、前向きに一歩を踏み出したいと強く思う職員にも出会いました。しかし、全体を通じて、心からの明るさが少し失われているようにも感じました。職員が感じている不安や悩み、また希望や意欲をしっかりと受け止め、職員一人一人の声と行動を、法人をより良き方向に変革する原動力にしなければなりません。
 重ねて申し上げていますが、私は支援を提供する各現場が生き生きとしていることが一番大切だと思っています。そのために、職員と情報を共有し、話し合い、役員と職員が同じ思いで、同じ方向を向いて、同じ目的に向かって、汗を流す法人でありたいと思っています。
 三つめは役員体制の一新です。法人は、過去の体制から真に生まれ変わる役員体制に一新し、透明性の向上、けん制機能の強化、ガバナンスの強化を図ることが急務です。
 今般の役員改選において、新たな理事・監事が選任され、評議員についても評議員選任解任委員会にて全員新たな評議員が選任されたことをご報告いたします。(別途発表した役員名簿をご参照ください)なお、役員体制の一新について、理事1名については期日までに選任することができませんでしたので、新たな理事が決まるまでは、旧体制で理事であった中村理事にその職務を担っていただき、速やかな理事交代により一新を図りたいと考えております。
 今回の新役員の皆様に就任いただく過程において、様々な方からご意見を頂戴しました。確かなことは、新役員の方々をはじめ、多くの皆さんから、法人に対して大変ご心配をいただく声と、法人の健全化に向けて応援をするというお言葉を頂戴したことです。これらのご意見やご支援は、私たちが直面している課題を克服し、より良い法人運営を実現するための大きな力となります。新たに役員に就任された皆様、そしてグローを応援してくださっている皆様に、心から感謝申し上げます。

 私たちの法人は、社会福祉法人滋賀県社会福祉事業団として昭和42年4月に設立され、平成26年4月に「オープンスペースれがーと」と合併し、現在のグローが誕生しました。法人合併から10年余りが経過した現在、法人はその存在意義を再確認する重要な局面に立っていると認識しています。
この58年間、「誰もが幸せに生きる」という願いを胸に、多くの利用者やそのご家族と共に歩んできた滋賀の福祉向上の歴史は、法人の誇りであり財産です。また、当法人は、高齢者、障害児・者、生活困窮者に対し、県下の幅広い地域で支援を提供しており、これが大きな特徴であり強みです。この強みと財産を最大限に活かし、社会からの期待に応える使命が法人にはあるのです。

 以上のことを踏まえて、法人としての急務は、法人健全化です。
 そこで、法人健全化を推進する体制として、理事長直轄の「法人健全化委員会」を新たに設置します。この委員会では、法人運営のガバナンス強化、財政の健全化、職員処遇の改善、人材育成・確保を目指し、ご利用者やそのご家族の意思、そして職員一人一人の声と行動を、法人をより良い方向へ変革する原動力として、役職員が一丸となって様々な課題に迅速に対応していきたいと考えております。

 私たちの法人は、サービスをご利用いただく高齢者、障害者、生活困窮者の方々や地域の皆様、そして職員が、誰もが健康で長生きし、地域で幸せな生活を送れるよう、「くらすこと」、「はたらくこと」、「よろこぶこと」を大切にした法人運営を行います。そして、私たちは「グローがあるから福祉のまちが生まれる」という信念を持ち、地域の方々からの信頼を大切にしながら、再出発したいと考えています。
 すべての人々の「ほほえむちから」と「生きることが光になる」社会を実現するために、私たちは全力を尽くしますので、引き続き、皆様のご指導ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。

社会福祉法人グロー
理事長 久保 厚子

信頼回復に向けた取組の確実な実施について.pdf

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